補聴器の装用に必要な慣れ
聞こえにくい事に慣れてしまった脳を聞こえる事に慣れさせる
補聴器を購入して装用したからといって、昔のようにいきなり聞こえが蘇るという訳ではありません。
加齢性の難聴であれば、脳は長い時間をかけて徐々に落ちた聞こえに慣れてしまうのが一般的です。補聴器によってその脳をもう一度「聞こえる事に慣れさせる」事は、最初のうち少し疲労が伴うかもしれません。
そのため、補聴器を使用するほとんどの方が、最初は静かな場所で短時間から使用し始め、徐々にその時間を延ばしていきます。リハビリのように毎日補聴器を使用し、脳を馴らしていくのです。
仮にすぐには馴染めなくても簡単にあきらめず、ご購入したお店に相談しながら忍耐強く毎日練習をしてください。廻り道に見えてもそれが近道でよい結果をもたらします。
補聴器の聞こえに慣れる練習の例
- 静かな場所で周囲の物音に耳を澄ませてみる
- 最初から騒がしい環境で使用するのは馴染めないため自宅などの静かな環境で数時間程度から始める
- 静かな場所で、ゆっくりと新聞や本の音読をする(補聴器を通して聞こえる自分の声に慣れる)
- 静かな場所で、身近な人と向き合い1対1で会話する(相手には、ゆっくりはっきり、話してもらう/相手の口や身振り手振りもよく見る)
- 少し慣れたら数名と会話してみる(どの人が話しているのか注意して聞く)
- テレビやラジオを聞く(機械音は本来聞き取りづらいものですが、いつもより小さめの音で聞いてみる)
- 会話の聞き取りに慣れてきたら日常生活の様々な場所で使う